みなさんこんにちは。Stylewearスタッフのsasaです。
先日ママ友と子育てについて話をしていました。
「子育てに正解はない」と言いますが、日々模索しながら子育てするのも大変ですよね。
正解が分からないまま、気づけば自分が親に育ててもらったように子育てしているなと感じます。
子どもの視野をもっと広げてあげたいな
自分ができなかったことや、子どもがやりたいことをさせてあげたい
そう考える親は多いのではないでしょうか。
2020年度に改定された小学校学習指導要領には、キャリア教育の充実について記載があり、「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す」とあります。
子どもの将来を見据え視野を広げてあげるには、様々な事柄に触れ、考え、議論することが大切です。
福祉国家であり教育水準が高いフィンランドでは、自分らしく生きることや人権などをテーマに、「いかに学ぶか」を勉強します。
本記事では、フィンランドの教育を元に、子どもの視野を広げるために知っておきたい知識についてまとめてみました。
・まずは自分とは誰かというアイデンティティを知る
・社会や政治など時事問題にふれることで他者の価値観を理解する
・空気を読むのではなく批判的思考をもち言語化する
日本とは異なる教育事情を持つフィンランド。
自分が今持っている価値観と比較しながら、ぜひご覧ください。
日本とは異なるフィンランドの教育事情
まずはフィンランドの教育事情からみていきましょう。
★3つの原則
フィンランドの教育は、平等・こどもの権利・ウェルビーイングの3つに要約されます。
内容は国連の世界人権宣言の規定や、フィンランド憲法に定められている規定に則って定められています。
日本では決まりを学ぶことが主流ですが、フィンランドでは「いかに学ぶか」が重視されています。
★大学まで学費が無償
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日本のような少子化対策のためではなく、学費の無償は全ての子供に対する社会保障です。
また、子どもを1人の人として尊重するため、学校には校則がありません。
18歳以下のタトゥーは禁止されていますが、アクセサリーやメイクは自由です。
学校行事も少なく、集団行動もなくいたってシンプルで、学びに集中できる環境が整っています。
学力よりも、いかに学ぶかが重視されているため、テストで競争を課すこともありません。
大学も日本とは違い学年の別がなく、自分の都合にあわせてスケジュールを組みます。
フィンランドでは、高校までにいかに学ぶかを身につけるので、大学では自立した学習者とみなされます。
★就職という概念がない
日本のように、卒業して一斉に就職することはありません。
初めから正規のポジションもないので、いくつかの仕事を経験してから正社員になります。
生まれてからずっと社会の中で生きていくという考えのため、社会人という概念もありません。
いくつになっても学ぶ「生涯学習」が重視されています。
★ウェルビーイングとは
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心地よさや充足感という意味で、国と公的機関が保障するものです。
子供の権利も保障されており、質の高い教育を受けることができます。
市民団体も多く声をあげやすいので、問題があればそれに対する議論も活発に行われます。
子どもの視野を広げるための知識
フィンランドでは、宗教が正規の科目にあります。
でも、宗教をもたない、科目をとりたくないという生徒のために、“人生観の知識”という科目が提供されています。
“人生観の知識”とは、宗教的な課題を非宗教的に学ぶ科目です。
自分らしく生きることや、人権、民主主義、政治への参加などが、テーマとして繰り返し現れます。
日本で言う道徳のようなものですが、さらに奥深い内容です。
子どもの視野を広げるためのポイントとなる部分なので、どんな内容が学ばれているか詳しく見ていきましょう。
★アイデンティティ
自分とは誰かということを考えることがすべての始まりです。
アイデンティティは決してひとつではありません。
セクシュアリティ、肌の色や言語、ルーツによっても分けられますね。
ただ若い世代だと、自分のアイデンティティはまだまだ不明瞭で、親や他人が望むように生きようとしてしまいます。
でも、誰かの期待にこたえようとする必要はありません。
望ましいのは、自分自身の行動に責任を持ち他人の背後に隠れない事です。
★価値観の選択と理解
人はたくさんの価値観の中で生きています。
例えば労働に対する価値観。
人によっては働くことは必要悪だと感じる人もいますし、自分にとっての天職に出会えたと思う人もいます。
それぞれの人にとって働く意義やワークライフバランスも異なります。
そのため、他者への理解が必要になってきますね。
一緒に働くみんなが気持ちよく働けるよう、他人の価値観や働き方を認めることが大切です。
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★社会的・経済的権力がある
社会に出ると、様々な権力の影響を受けることがあります。
自分もまた権力を行使する立場であることは、知っておきたいところですね。
たとえば、社会的権力には合法的、司法的、専門家の権力や対抗勢力、暴力などがあげられます。
経済的権力には、政治的決定や社会的構造に至るまで様々な影響があります。
金額は小さくても、情報の買収や不買運動など、自分も経済的権力をもっていることは自覚すべきです。
★民主主義のために
日本では選挙権が18歳に引き下げられましたが、投票に行く人が少なく、政治自体に関心がないという人も多いのが現状です。
でも、選挙で投票し市民の声を反映させてこそ、民主主義は継続できます。
民主主義はちゃんと自分たちでケアしないと、間違った人たちがリーダーとなり、間違った政治が進み、人々は啓蒙されなくなってしまいます。
政治はどこか遠い問題と思わず、参画することに意義があります。
自分のアイデンティティ、社会的立場によって問題は異なるため、どの政治問題が重要かは人によって違います。
だからこそ他人事とは考えず、日ごろから興味関心を持つことが大切になります。
批判的思考を持ち議論する大切さ
批判は必ずしも否定ではなく、検証すべき事柄の検証と言えます。
批判的思考をもつ第一歩として、情報を簡単に信じることなくまずは疑ってみます。
そしてその疑いの根拠を明確にすること。
感情や偏見に左右されることなく、論理的に考えるようにします。
正しい議論を行うためには様々な論法を知っておくことも大切です。
★議論のスキル
いい議論は、主張と根拠に倫理的な関連があることです。
どの様な議論のスキルがあるか、具体的にみていきましょう。
論法 | |
1.アドホミネム | 「若い人の意見は信じない」など、個人やグループにケチをつける |
2.アドポピュルム | 「多くの人がそう言っている」など、一般的な意見を根拠とする |
3.具体的なエピソードを用い感情に働きかけること | 「あのグループが盗みを働いた、だからあのグループはだめなんだ」と全体を拒否する話法 |
4.ストローマン | 相手の考えを戯画化する |
5.whataboutism | 批判されたときに、ところであれはどうなのか?と批判で返す |
6.slippey slope | 「小さな変化が大きな惨事につながる」という、話を大げさにする論法 |
議論は、勝つためではなく、真実に到達することを目的とします。
相手を打ち負かすのではなく、相手の話に耳を傾け、共通の価値を建設することが重要です。
そのためには意見を言語化することが大切ですが、日本のように背中で語る、空気をよむなど、対話が少ないのはよくないという事が分かりますね。
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まとめ
日本にも道徳という科目があり、感謝や尊敬・助け合いなど、グループの中で生きていくために大切なことを学びます。
フィンランドと日本の教育、それぞれの良いところを取り入れていけたらいいですね。
・まずは自分とは誰かというアイデンティティを知る
・社会や政治など時事問題にふれることで他者の価値観を理解する
・空気を読むのではなく批判的思考をもち言語化する
フィンランドの教育事情や人生観の知識について、さらに詳しく知りたいという方におすすめしたいのがこちらの一冊。
日本の教育の不明瞭な点も含めて、フィンランドの子ども達が学ぶ人生観の知識という科目について詳しく記載されています。
ぜひご覧ください♪
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