最近コラーゲン入りのグミなど、コラーゲンを含んでいる食品がよく売られています。
コラーゲン入りだと、なんだか肌がぷるぷるになりそうな感じがしますよね。
コラーゲンを食べたら、体内にコラーゲンが増えて、肌にハリが本当にでるのでしょうか。
答えはNOです。コラーゲンを食べても、体内にコラーゲンは増えません。
みなさんがよく知っている美容常識というのは、意外にも間違った情報のことが多いのです。
本記事では、様々な美容常識の真相を科学的根拠にもとづき、医師の落合さんが書かれた「美容常識の9割はウソ」をもとに解説していきます。
- いろんな化粧水・美容液があるが、自分に合うものが分からない。
- 美容知識・美容成分について正しく知りたい。
このようなことにお悩みの方は、この記事をぜひご覧ください。
正しい肌の構造や美容常識を知ることで、ウソの情報に惑わされず、美容情報のウソホントが自分自身で分かるようになります。
肌のこと、どのくらい知ってる?
あなたは肌についてどのくらい知っていますか?
広告やCMなどに惹かれて、なんとなくで化粧品を購入していないでしょうか。
あなたが知っている美容常識はウソだらけかもしれません。
美容常識はウソだらけ!?
「この成分がいい」「これを塗り続けると肌が変わる」など、より良い効果をうたった化粧品が発売されています。
近年の美容情報量は目まぐるしく、大量で、選別することも難しいです。
その情報量の中には、効果があるように思えないものも、あたかも効果があるかのように売られているものもあります。
ですが肌の仕組みが分かると、美容情報の見え方も変わります。
肌について正しく知れば、ウソの情報に惑わされることなく、情報のウソホントが自分自信で見分けられるようになります。
肌の奥まで浸透するはありえない
「肌の奥まで浸透する」とうたった化粧品が売られていますが、奥までってどこまでかご存知でしょか。
その奥とは「角質層」のことです。
角質層は図の通り、表面近くにあるところです。
「角質層まで浸透する」というと、奥まで浸透しているように思えます。
ですが角質層は肌の表面の厚さ0.01から0.03ミリの部分で、実際は全く肌の奥ではありません。
角質層の奥まで届けようと思えば、特殊な薬品や医療技術を用いない限り、ありえません。
私たちはこの角質層を一生懸命ケアするわけですが、角質層はしばらくすれば垢となってはがれ落ちる運命です。
こんなことに手をかけるよりかは、肌本来が持つ自己再生力を蘇らせる方がよっぽど肌のためです。
肌にトラブルが生じても、しばらくすれば自己再生力により、肌は新しくキレイに蘇ることができます。
これをターンオーバーと言いますが、ターンオーバーを正常に機能するように、ケアする方が妥当なのです。
化粧品選びにもう迷いたくないなら
いろんな化粧品があって、どれが良いのか分からない
このようなことでお悩みの方は、いらっしゃると思います。
「肌本来の機能」についてはお話ししたので、それに加えて「科学的エビデンス」についてもお話ししていきます。
これらを理解できれば、美容常識のウソホントが自分自信で見分けられるようになります。
理にかなった情報はどれで、あなたの選ぶべき美容方法・美容アイテムはどれなのか。
それについてシンプルに導き出せるように、これからお話しすることもぜひ参考にしてみて下さい。
美容常識の真実
科学的エビデンスにもとづき、美容常識の真実についてお話しします。
ここで美容常識について理解して頂くと、美容常識のウソホントが見分けられるようになります。
「無添加」化粧品に騙されないで
無添加化粧品といったら、体に害のある成分が省かれていて、安全・安心なものだというイメージがあると思います。
ですが「無添加化粧品」とは30年前に表示が義務化された「旧表示指定成分」が使われていない化粧品を指すことが多いです。
「旧表示指定成分」とは、1970年代に起こった化粧品トラブルをもとに、アレルギーや皮膚炎などの皮膚障害を起こす可能性がある100種類の成分を「表示指定成分」と定め、化粧品に明記しなければならない成分のことです。
実際「無添加化粧品」といっても、指定成分以外にも無害でない成分はあります。
「無添加」という表記自体には、現在法律の規制はありません。
なので各メーカーそれぞれの判断で、この成分が入っていないから「無添加」だと表記することができるのです。
したがって、無添加化粧品を選ぶ際は、無添加とは何に対しての無添加なのかを確認する必要があります。
SPFは高いほど効果があるわけではない
一定数値を超えると効果は変わらない
SPFとは、紫外線に対する防御効果を表します。
なので日焼け止めはSPFが高いほど、効果は高いと思われがちですが、実はそうではありません。
ある研究結果によると、SPF15では93.3%防御でき、SPF30では96.7%の防御率でさほど差がみられませんでした。
そしてSPFが高いほど、紫外線吸収剤や散乱剤を使用するため、肌への負担が大きいです。
肌への負担も考えると、SPF50が絶対に良いとは言えません。
こまめに塗ることを意識して
紫外線防止の効果を得るためには、どの製品を選ぶかよりも、こまめに塗るということが大切です。
表記の量よりも多めで、屋外で過ごすなら2〜3時間おきに塗りましょう。
肌にすりこむのではなく、のせるようにつけると、より効果的です。
肌荒れ・乾燥肌は”洗いすぎ”が原因
乾燥肌や敏感肌に悩む方は多く、最近ではそれをうたった化粧品も発売されています。
乾燥肌の大きな原因の一つは、「洗いすぎ」です。
本来、人の肌は毎日頻繁に洗う必要がないのです。
私たちの皮膚は常に常在菌によって、有害な菌が増殖しにくい環境を維持しています。
そして常在菌が皮膚をエサとして、肌にとって大切なバリア機能をつくってくれているのです。
汚れがついても垢とともにはがれ落ち、自然とキレイになる仕組みが備わっているのです。
肌を洗いすぎてしまうと、肌の常在菌が減り、皮膚構造を傷つけてしまいます。
過剰な洗浄によって、肌の乾燥やアレルギーを引き起こす研究結果もあります。
そして健康な肌であれば、肌のバリア機能がすぐに再生されるため、洗顔後は基本的に何もつけなくても大丈夫なのです。
乾燥が気になるから何かを塗りたいということであれば、オイルやワセリン、ヒルドイド、セラミドなどの保湿剤を使用するといいでしょう。
水蒸気やスチーム、あてると逆効果
最近では、色んなメーカーからスチーマーが出ています。
スチーマーは、美肌・うるおい肌に効果的だと聞きますよね。
ですが、スチーマーの保湿効果は一時的で、使いすぎると全くの逆効果になる可能性があります。
実は蒸気を顔に直接あてることに、保湿効果はほとんどなく、あてた直後はしっとりしますが、すぐに蒸発してしまいます。
結果的には肌が乾燥しやすくなる可能性があります。
乾燥対策にスチームを使うなら、肌にあてるのではなく、加湿器などを使い、部屋の湿度を上げ、乾燥を防ぐ方がいいです。
美容成分の意外な事実
美容成分に関しても正しい知識を知っておくといいです。
シリコンって毛穴につまるって本当!?
最近では、ノンシリコンシャンプーなどの商品が出ています。
「シリコンは体に悪い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、シリコンが毛穴に詰まって体に悪影響を及ぼすということはありません。
むしろシリコンは安全性が高く、日用品や調理器具、医療用にも様々な用途で使用されています。
シリコンは加工の仕方で、液体にも固体にもなり、加熱しても変化しないのが特徴です。
シリコンの固形のものが溶けたり、液体のものが固まったりするのではないかと心配する方もいると思います。
でもそのようなことは、化学的に起こり得ないので大丈夫です。
ノンシリコンシャンプーはどうなの?
シリコン入りのシャンプーを使って、シリコンの洗い残しがあっても、体に害を及ぼすことはありません。
なので、シリコン入りかノンシリコンかは個人の好みで選んでもらって大丈夫です。
ツヤのあるなめらかな仕上がりがいいならシリコン入りを、さらさらのサッパリとした質感が好みなら、ノンシリコンシャンプーを選びましょう。
「ヒアルロン酸」の真実
ヒアルロン酸とは何?
画像出典:https://www.dk-sc.com/index.html
ヒアルロン酸とは体内に存在するゼリー状の物質で、ムコ多糖類(体の循環と代謝を助けてくれる)の一つです。
細胞同士をつなぐ役割を担っており、コラーゲンの弾力性を高めているのがヒアルロン酸です。
引用:https://www.dk-sc.com/index.html
ヒアルロン酸は高い保湿力と粘性があり、細胞同士をつなぐクッションのような役割を持っています。
なので、ヒアルロン酸は肌の潤いを保つために必要なものです。
ですが、加齢とともに減っていきます。
そのため近年では「補わなければならないもの」として、ヒアルロン酸をうたった美容商品が多く発売されています。
ではヒアルロン酸を塗ったりすると、本当に肌が潤うのでしょうか。
次の章で見ていきましょう。
ヒアルロン酸の化粧品で、肌が潤うわけではない
ヒアルロン酸自体は、肌に水分を与えるものではありません。
確かにヒアルロン酸は保水性が高く、水分を保持しており、粘り気があります。
なので、肌の表面に塗るとそこに水分が保たれ、一見肌にうるおいがあるように見えます。
しかし、この現象は肌に起こっているのではありません。
塗ったヒアルロン酸に起こっているだけです。
ヒアルロン酸自体は保水力のあるものですが、肌に水分を与えることはできないのです。
なのでヒアルロン酸が含む化粧水などを塗り続けると、角質層の構造がくずれてしまい、自分の力で保湿ができない肌になります。
そうすると、ヒアルロン酸を含む化粧水を手放せない肌になってしまうのです。
また先程の図でもあるように、本来のヒアルロン酸は真皮(皮膚下層)に存在するものです。
ヒアルロン酸を肌に塗っても、角質層にとどまるのみで、真皮のヒアルロン酸を補うことができないのです。
ヒアルロン酸注射の効果は一時的
美容医療でシワを目立たなくさせるために、「ヒアルロン酸注射」をする方もいるかと思います。
効果はありますが、これは一時的でしかないです。
そして直接注射しても、肌自体のヒアルロン酸生成力を高めることには繋がらないです。
また注射により皮膚壊死や視力障害を引き起こすリスクもあるので、それを加味した上で、検討して下さいね。
ビタミンCはとればとるほど良いわけじゃない
ビタミンCとは
ビタミンCは人が生きていく上で、欠かせないビタミンの一つです。
コラーゲンの生成に必要な栄養素で、皮膚をつくるのに重要な働きをしています。
またビタミンCには日焼けした肌のメラニン沈着を薄める効果もあります。
人間はビタミンCを体から生成することができないため、食べ物から摂取する必要があります。
かといってビタミンCをとればとる程、効果がでるのかと言われたら、そうではありません。
1日の摂取量である100mgを目安に摂るといいです。
ビタミンCを摂りすぎたらどうなる?
1日の摂取量である100mg以上にとると、吸収率が半分以下に低下し、自然に体外へ排出されます。
飽和量を上回る摂取は体外へ排出されるので、体に蓄積されることはないです。
ですが過剰摂取すると、下痢や吐き気が起きる場合があるので、注意して下さい。
できるだけサプリメントに頼りすぎず、食べ物から摂取することが好ましいです。
ビタミンC100mgってどのくらい?
15歳以上のビタミンCの一日摂取量は、100mgです。
ビタミンCはレモン以外にも、たくさんの食材に含まれています。
以下に、何個食べれば1日に必要な100mgを摂取できるのか、換算しました。
レモン | キャベツ(生) | キウイフルーツ | ブロッコリー(茹でたもの) | みかん |
8個 | 2〜3枚 | 2個 | 1株 | 4個 |
赤ピーマン(生) | 緑ピーマン(生) | いちご | 柿 | ゴーヤ(生) |
大きめ1個 | 大きめ2個 | 中粒10個 | 1個 | 大きめ1/2個 |
これだけでいい!シンプルスキンケア
ここでは医師がおすすめするシンプルなスキンケア法について、解説します。
どれも試しやすく、すぐに実践できるものばかりです!
肌はこすらない、洗いすぎないで
健やかな肌を維持するためのポイントは2つあります。
①肌を触らない
まず一つに、できるだけ肌を触らないということです。
肌に本来備わっている自己再生力をしっかりと機能させるためにも、このことが何よりも大事です。
「顔のむくみ解消のために小顔マッサージをしましょう」とか、「化粧水や美容液を浸透させましょう」という説があるけれど、この方法はおすすめしません。
皮膚の再生機能のことを考えると、肌に刺激を与えたり、化粧水や美容液を使用することはあまり良くありません。
接触や摩擦はどんな程度であれ、肌にとって刺激となるからです。
例えばひじが黒くなってしまうのは、こすれたり接触したりしてしまうからですよね。
また洗顔をする時は顔をゴシゴシと洗うのではなく、手が肌に直接あたらないように、泡で優しく洗うといいと言いますよね。
長期的な摩擦や接触は、シミや黒ずみの原因にもなるので、できるだけ肌をこすらず、触らないように心がけてみて下さい。
②肌を洗いすぎない
健康な肌でいるためのもう一つのポイントは、肌を洗いすぎないということです。
肌にも新陳代謝があり、汚れがついても、垢などと一緒に毎日自然に落ちます。
なので普段は洗顔料などは使用せず、水やぬるま湯ですすぐ程度で大丈夫です。
少なすぎるように思えますが、本当は週に2回程度しか洗わなくても大丈夫なのです。
洗いすぎると、肌の表面の皮脂や常在菌が減り、皮膚構造が傷つきやすくなります。
そうすると乾燥や湿疹、アレルギーの原因になります。
なので顔を全く洗うなとは言いませんが、できるだけ肌に触れる回数を減らし、洗いすぎないようにしましょう。
ボディソーブ、石鹸どっちの方がいい?
肌への刺激を考えると、断然「石けん」の方がいいです。
肌は弱酸性で、石けんは弱アルカリ性のため、皮膚上で中和されて、石けんの界面活性剤としての効果はなくなります。
なので界面活性剤が、肌の皮脂を取りすぎてしまうことがなく、そのため石けんは肌に優しいです
よく「石けんは泡だててから、洗いましょう」と言いますが、これは正しいです。
石けんの洗浄力を正しく発揮するためには、石けんをしっかり泡立てることが大切です。
反対に、ボディソープは界面活性剤としての効果が消えにくいです。
肌に界面活性剤が残ると、肌のバリア機能を破壊し、肌の表面を傷つけます。
なのでボディソープを使用する場合は、しっかりと洗い流さなければなりません。
化粧水は使わなくてもいい
私たちは体を正常に保つための調整力を持っているため、実は化粧水を使うことにメリットがないのです。
化粧水などを使用しなくても、本来肌は健康に保てます。
角質層は元々、水分や油分を適度に保つ機能を持っています。
なので角質層の本来の機能を妨げずにいたら、肌は常に健康的で、うるおいのある状態に保てるのです。
それなのに顔をよく洗い、化粧水でよく保湿をすると、角質層の機能が落ちて、常に外からの保湿が必要な肌になってしまいます。
かといって、洗顔すると皮脂は汚れとともに落ちてしまうため、一時的に乾燥しますよね。
そこで補うべきものは、化粧水ではなく、油分が入ったクリームや美容液、オイルです。
角質の細胞間隙はセラミド、コレステロールなど脂肪性物質から構成されているため、水溶性のものより、脂溶性のものの方がなじみやすいのです。
紫外線防止こそが、最強のアンチエイジング
美しく、健康的な肌を保ち続けるには、毎日必ず日焼け止めを塗ることです。
肌を老化させる第一の原因は、紫外線です。
その紫外線を受けないことが、肌の機能を正常に保ちます。
紫外線対策は誰でも、いつからでも始めることができます。
日差しが強い季節だけではなく、年中日焼け止めを塗るように心がけましょう。
内側から満たされて美肌になる
先ほど健康な肌を保つためには、肌本来がもつ自己再生力がカギをにぎるということはお伝えしましたね。
私たちの体には驚くほどの自己再生力が備わっています。
その力を十分に発揮するにまずは、からだも心も健康でなければなりません。
バランス良い食事を摂る
乱れた食生活などで、からだだけが不健康でも、美しい肌をつくることは難しいですよね。
美しい肌をつくるためにも、肌の細胞を十分に育むことが大切です。
そのためには、タンパク質やビタミン、ミネラル、脂質など肌に必要な栄養素を食事から摂らなければなりません。
たっぷりな野菜、肉や魚、豆類など、バランス良く食事を摂りましょう。
シンプルな方法だけど、これが美肌への道です。
生活リズムを整える
また食事だけでなく、生活のリズムも肌にとっては大切です。
睡眠不足や不規則な生活リズムは、肌のターンオーバーの周期を乱してしまいます。
そうすると、肌のキメが乱れ、肌荒れを起こしやすくなります。
自分が心地よいと思う生活リズムを続けることです。
就寝と起床、食事の時間は、大体毎日同じ時間になるようにしましょう。
まとめ
ここまで「正しい美容常識・美容成分について」や「肌がよみがえるスキンケア方法」についてご紹介しました。
自分が思い込んでいた美容常識が、くつがえされたのではないでしょうか。
世に出ている美容情報が、いかにウソの情報が多いかということが分かりましたね。
「肌がよみがえるスキンケア方法」についてはすぐに始められるものばかりなので、一つでも試してみるといいですね。
- 肌をできるだけ触らない
- 化粧水もできるだけ使わない
以上は、特におさえておきたいポイントですね。
本記事は、国立病院機構東京医療センターで形成外科医長をされている、落合博子さんが書かれた「美容常識の9割はウソ」という本を参考にして書きました。
ここでは美容情報について、少し噛み砕いて書きましたが、この本ではより専門的に肌や美容情報について書かれています。
ぜひこの本も参考にしてみて下さい♪
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